健康診断や人間ドックで便潜血検査を受診し、「便潜血陽性と指摘を受けたけど、特に症状を感じないから大丈夫かな？」「便潜血陽性と指摘を受けたけど多分痔だから大丈夫！」「便潜血陽性でも大腸がんではないから心配ない！」と、実際に診察をしている際にこういったお声を聞くことも有ります。
実際、「便潜血陽性＝大腸がん」という訳ではありません。ただ、便潜血陽性は見逃してはいけない病気の初期症状である可能性があります。便潜血陽性と指摘を受けても特に自覚症状がなくても、お近くの消化器内科を標榜しているクリニックに受診し、大腸カメラ検査を受けるようにしてください。
便潜血検査とは？
便潜血検査とは便の中に混じっている微量な血液の混入も検出することができる検査で、大腸がんのスクリーニング検査として、会社の健康診断や各市区町村が実施する大腸がん検診などでも広く活用されています。
便潜血検査では微量な出血であっても血液の混入を検出し、大腸がんや大腸ポリープ、炎症性腸疾患（潰瘍性大腸炎など）といった病気の早期発見に繋げることができます。
便潜血陽性とは？
便潜血検査を受診し、その結果が「陽性」であった際に便潜血陽性となります。便潜血陽性だったということは、便の中に血液が含まれていることになります。つまり、消化管のどこかで出血が生じていることになります。便潜血陽性と指摘をされた方は大腸カメラ検査でお腹の中を検査する必要があります。
便潜血陽性でも心配ないって本当ですか？
結論から申し上げると、便潜血陽性だからといって必ずしも大腸がんという訳ではありませんが、便潜血陽性で自覚症状がないからといって無視してもよいという結論には決してなりません。
便潜血陽性では、お腹の中で出血が生じていることになりますので、何が原因で出血が生じているか確認するために大腸カメラ検査を受けるようにしてください。大腸カメラ検査を受けて異常がないことがわかって初めて安心していただくことができるようになります。
便潜血陽性だったら、次に何をすべきですか？
便潜血陽性と指摘を受けた場合、次のステップはほぼ一択で、大腸カメラ検査を受けることになります。大腸カメラ検査は大腸全域を隈なく観察することができる検査であり、出血か所や出血原因を知ることができます。
また、大腸カメラ検査中にがんが疑われる病変があれば組織検査、その場での日帰りポリープ切除も可能です。大腸ポリープを早期発見し、綺麗に切除することが、大腸がんの予防に大きく繋がります。便潜血陽性と指摘を受けた方は必ず大腸カメラ検査を受けるようにしてください。
最後に
便潜血検査で陽性と指摘をされても、「自覚症状がないから大丈夫！」と自己判断している方も少なくありませんが、大腸がんは早期発見が何より重要な病気であり、大腸がんは発症初期の段階では特に自覚症状を感じません。大腸がんは早期発見をすることができれば、大腸カメラ検査で治療が完結することができます。便潜血陽性の場合は決して軽視せず、お早めに当院までご相談してください。
