保土ヶ谷あだちクリニックレポート
~地域の医療を地域の基幹病院と考える~

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聖隷横浜病院放射線診断科との
地域連携とその重要性

聖隷横浜病院 副院長 放射線診断科 新美 浩先生

聖隷横浜病院 副院長
放射線診断科 新美 浩先生

保土ヶ谷あだちクリニック 足立院長

保土ヶ谷あだちクリニック
足立院長

放射線診断科は診断専門医による画像診断を主とする
診療科で、当科は地域の医療機関との連携に
注力していること
を特色としています。

新美先生
聖隷横浜病院副院長
放射線診断科
新美 浩
http://www.seirei.or.jp/yokohama/

地域のクリニックや医療機関から依頼される全てのCT、MRI検査(造影検査を含む)の読影診断を行うシステムを有し、画像診断の立場から地域医療の質的向上に貢献しています。紹介件数は年々増加傾向にあり、2021年度の月間紹介件数はCTとMRIの合計約170~180件、紹介患者比率も院内紹介患者数の約20%を占めています。
地域医療機関とオンラインでの画像検査予約、画像レポート閲覧のシステムを導入し、当院で撮影された画像と診断レポートを短時間で依頼元の医療機関へ送り、オンライン上での閲覧が可能となっています。

新美先生

聖隷横浜病院副院長 放射線診断科
新美 浩
http://www.seirei.or.jp/yokohama/

聖隷横浜病院の簡単な成り立ち、概要などのご説明をお願いいたします。

新美先生
新美先生

私ども聖隷浜病院は、2003年に 国立横浜東病院から「社会福祉法人聖隷福祉事業団」に経営が移譲されて誕生した比較的新しい地域の中核病院です。

足立先生をはじめとして、地域の先生方と非常に密接な連携をとって診療を行っている病院です。

病気の早期発見においてCTやMRIなどの画像診断の重要性と地域のクリニックの役割についていかがでしょうか

新美先生
新美先生

がんをはじめとして、多くの疾患は比較的症状が乏しい早期の段階で診断を行うことが非常に重要になってきます。

その意味では、画像診断の役割が非常に大きいわけですが、無症状でも病気のリスクのある患者さんをしっかりと我々の施設に、連携をとって紹介して頂けるクリニックの役割もまた非常に重要です。

地域のクリニックと私ども地域中核病院の放射線科がしっかりとした連携をとった診療ができてこそ、初めて色々な疾患の早期診断が可能になってくると考えております。

足立先生
足立先生

クリニックからはどのような患者さんを紹介するべきなのか、どういうタイミングで、画像の検査をオーダーしたらいいとかなどのご意見はありますか。

新美先生
新美先生

放射線診断科はすべての領域を対象としていますが、足立先生は消化器疾患の専門家ですから、特に消化器がんの早期診断を念頭に置き、精密検査が必要な患者さんをご紹介頂けると、より効果的であると思います。

消化器がんの診断は特に無症状での診断が非常に重要になってきますので、 最初のスクリーニングで放射線診断科へご紹介して頂けるのは、地域のクリニックの先生方の能力に大きく依存します。その点に関しては足立先生とは十分連携がとれていますので患者さんにも安心して頂けると思います。

やはり、クリニックで診療を行っている先生方の中でも、画像診断に慣れてる先生方は、画像診断の重要性を認識してらっしゃいますが、足立先生はそういう点でも安心できる先生のお一人だと考えております。

聖隷横浜病院へ画像診断を紹介した後の流れを簡単に教えてください。

新美先生
新美先生

当院で行った画像診断をもとに、足立先生の方でそれぞれの患者さんとご相談の上、最適な治療を受けられる病院を選択して、当院の内科や外科に改めてご紹介頂くこともありますし、より専門性の高い高次の病院にご紹介して頂くことも可能と言えます。また、引き続き足立先生に継続して診て頂けるかどうかの判断も可能だと思います

保土ヶ谷あだちクリニックと聖隷横浜病院の放射線診断科が連携していることのメリットについて教えてください。

足立先生
足立先生

当院に来てくださる患者様は、近隣にお住まいの方が多く、この地域で中核病院となると聖隷横浜病院が第一選択として挙げられます。

患者様が抵抗を持つことなく安心して検査を受けていただけることと、地域クリニックからの画像診断のご紹介の枠というものを多く確保していただいております。

要するに、当院へ受診して聖隷横浜病院様の放射線診断科に直接ご紹介した際に翌週または翌々週には画像検査を行うことができる体制が整えられています。

一般的にはクリニックから当該科の診療科に紹介し、病院の中から画像診断を依頼する為、かなり時間を要します。
それが、聖隷横浜病院様の放射線診断科へ直接ご紹介できる為、より迅速に診断を行うことができ、病気の早期発見、早期治療が可能となります。

新美先生
新美先生

当院では、地域のクリニックの先生方とオンライン上で画像診断のネットワークを組んでいます。

画像診断の予約の段階から検査を実施し、画像と診断報告書の送付まで、全てオンラインで行うことが可能となっています。

また、地域のクリニックの先生方のための検査の予約枠を十分設けおり、それが結果的に利便性につながっているのではないかと思っています。万が一予約がすぐ取れない場合でも、個別にご相談いただければ出来る限り対応し、お待たせすることはほとんどない様に体制を整えております。

足立先生
足立先生

地域診療を行う私たちのようなクリニックからの紹介の枠もかなり多く広げていただいておりますが、聖隷横浜病院の先生方の負担というのは 多くならないのでしょうか。

新美先生
新美先生

大丈夫です、先生方のご期待に沿えるよう十分な体制を整えていますので、安心してご依頼を頂ければと思います。

インタビューイメージ

他の画像診断専門クリニックや施設との比較についていかがでしょうか

※画像診断専門のクリニックとは、CTとMRIなどを完備し、様々なクリニックから画像診断の依頼を受けてる専門のクリニック。

足立先生
足立先生

その他画像診断専門の施設とかでも、やはり予約が約2、3週間先になってきてしまうことが多いので聖隷横浜病院様にはとても助かっております。

新美先生が迅速にCTの画像を読影していただいたおかげで手術適応のある膵臓がん、大腸がん胃がんの患者様も聖隷横浜病院様の外科へご紹介することができ非常に感謝しております。

新美先生
新美先生

画像診断専門クリニックへ検査を依頼される先生方と、私どものように地域中核病院へ依頼をされる先生方もいらっしゃいます。

私どもの利点としては、地域連携に注力し、普段から地域のクリニックの先生方一人ひとりとしっかりと連携をとり、信頼関係を構築していることと、高度医療機関であるため、ご紹介頂く患者さんに合わせて臨機応変に対応できる体制を整えている点です。

Face to faceの関係を保ちつつ、オンラインを使って情報共有を行っているため、誰からの依頼でどのような診療をされる先生であることを把握した上で連携を取っているという関係性が、一般の画像診断専門クリニックとの違いであると考えています。

また、造影剤を使用した検査を行った際に、副作用があった際の緊急対応が十分であるということも強みだと思います。画像診断専門クリニックに比べ、私どものような地域中核病院で、特に救急診療部門が画像診断部門と隣接しているところであれば、患者さんも比較的安心して造影検査も受けて頂けるのではないかと思っております。

当院では過去に造影剤を使用した患者さんで、重篤な副作用が出たことは、今のところはありませんが、特にアナフィラキシーについては常に一定確率で起こる可能性があるので、万が一副作用が生じた際にも十分に対応できる体制があるかないかということは、非常に大きいと思います。

地域診療を行うクリニックと中核病院の放射線診断科との繋がりがもたらす、患者様へのメリットについていかがでしょうか

新美先生
新美先生

端的に言うと、画像診断を依頼して、全てが高次医療機関での診療が必要になるわけではなく、 画像診断で重篤な疾患は見つからず、その後も各クリニックの先生方で継続して診療を行える場合と、画像診断の結果、治療が必要な疾患が見つかり、病院で診療と手術が必要な場合と2通りあります。

画像診断の結果、クリニックで引き続き診療を継続可能か否かの判断が可能になるという意味で、画像診断を診療の1つに加えるというのは、非常に意義が大きいと思います。

画像診断における患者様の負担はどのようなものでしょうか

新美先生
新美先生

基本的に検査の目的によって異なります。また、CTとMRI検査では負担は違いますし、造影剤という検査薬を使うか使わないかによっても負担は違います。

例えば、膵臓がんの早期診断にはCTとMRIの2つの選択肢があり、それぞれ役割が違うのですが、 一般に膵臓がんのスクリーニング診断に重要なのはMRIになります。

MRIは必ずしも造影剤は使用する必要がなく、造影剤を使用する必要性の高いCT検査よりも、身体的にも経済的にも負担が少なく行うことができます。

MRI検査の結果必要となった場合に、次の段階として造影CTなどを検討します。

足立先生
足立先生

当院では胃カメラ、大腸カメラなどを積極的に行っていますが、検査を選択する上で患者様の年齢と体のパフォーマンスに合わせてどのような検査を行うか考えていています。

例えば、高齢の方で、「胃カメラを飲みたくない」「前処置や下剤の内服を避けたい」といった内視鏡検査を行わない検査をご希望の方の場合、大きい病気の有無を調べる為に画像診断を行っています。

内視鏡検査に比べ画像診断は患者様への負担が少なく、かつ重篤な疾患の有無を検査することができます。
小さいポリープや生命に影響しない疾患などの発見は難しい場合もありますが、負担が少ない画像診断で重篤な疾患の有無を検査でき安心していただく事ができます。

画像診断において使用しているシステムについていかがでしょうか

足立先生
足立先生

他の画像診断専門施設と比べ、使用しているシステムがとてもこだわりがあり使用しやすいと思います。

画像オーダーをする際によくあることなんですけど、中でもとても助かっていることが、造影CTの検査をお願いする際に、他施設だとどうしてもこちらで、造営剤の同意書を取得の必要だったりなどの手続きが多くなってくるのですが、このシステムは採血の情報を入れるなどの情報の共有を行うことで造影剤使用の同意書、検査時の造影剤の副作用の観察まで含めて対応していただけることです。

新美先生
新美先生

使用しているシステムは、地域のクリニックの先生方が、いかに短時間で正確に作業を行うことができるかを最も重要視してソフトウェアの構築を行いました。

クリニックの先生方にはこちらからお声がけし、連携が決まった際には地域連携部門のスタッフがシステムの設置に訪問します。その後の予約などは全てオンラインで可能なので、電話をかける必要もなく、枠が空いていればそのまま予約することができます。

結果報告も、例えば今日検査をしたら、今日の夜にはオンライン上で画像を見ることが可能で、同時に診断報告書も確認できますので、非常にスピード感があります。

現在のシステムでは、検査を行った翌日以降には、結果の説明を受けて頂けるのでとても迅速になりました。

保土ヶ谷あだちクリニックと聖隷横浜病院の画像診断科が連携を行っていく上で、今後の展望などはありますか

新美先生
新美先生

足立先生は消化器疾患が専門で、特に胃がんや大腸がんの早期診断にも注力されていると思いますが、 消化器がんは胃や大腸だけではなく、肝臓や胆のう、膵臓といったがんも含まれます。

その中でも特に膵臓がんの早期診断は非常に難しく、いかに早い段階で膵臓がんを発見できるかが、生命予後を改善するために最も重要なことと言われています。

膵臓がんではそのリスクが高い人がある程度知られていますので、 そういう患者さんを特に集中的に画像診断を行い、定期的に画像をしっかりフォローしていくことで早期診断に結びつけていこうと考えており、これからはその様な視点から足立先生と連携をさらに強化していく考えでいます。

文責:保土ヶ谷あだちクリニック 院長 足立清太郎

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